2011年4月14日より6月14日まで、六本木・ホテルアイビス ミニギャラリーで、須田一政展「東京地図 TOKYO MAP 1983-1987」と題した写真展を東京写真月間に協賛し開催いたします。
日常に潜む異常を切り取るようなスナップ写真を得意とする写真家、須田一政さんの数多くの作品のなかから、今回ご紹介するこの作品について須田一政さんは、「1983年より1988年始めにかけて、海外向けのカメラ専門誌に同タイトルで掲載したものである。ここには1983年から1987年の東京がある。高度成長期も終わり、徐々にバブルの波を感じ始めたころ。平成23年現在の不況下において振り返ってみれば、近世で一番日本が穏やかな時代だったかもしれない。妻帯者のサラリーマンはお小遣いが少ないと嘆き、自営業者も毎日の売り上げに頭を悩ませ、若者は自分探しを希求する・・・30年近くたった今も愚痴る台詞はそう変わったものではないが、それでもみな心のどこかで未来は明るいと信じていた。街は生き物である。そこに集う人間の活力や想いが街の貌を作り上げていく。昨日の貌に感じるもは、懐かしさだろうか、それとも喪失感だろうか。」とコメントを寄せています。
須田一政さんが生まれ育った東京神田をはじめ、東京を舞台とした作品がおさめられています。そこには一見何気ない日常が写されていますが、人の記憶の断片をのぞきみるような不思議な世界への入口があり、時として非現実的な印象を与えます。
6月1日は写真の日として知られています。写真の渡来については諸説ありますが、日本写真協会がこれまでに写真の日として、多くの行事を開催してきました。そのなかの東京写真月間では、都内の多くの写真ギャラリーなどが6月1日をはさんで開催される写真展に協賛して参加しています。アイビスミニギャラリーでは2008年の、内山英明さんの「TOKYO EDEN」、一昨年の中野正貴さんの「TOKYO FLOAT」、昨年の伊奈英次さんの「IN TOKYO 1981-1992」につづく、今回の展示でも「TOKYO」がタイトルに入ったものです。ご高欄ください。